天使の知恵袋 価格効果のない美肌水 その85
美肌水は税込714円です。発明者の今井辰哉医師は「これでもまだ高い」と言っています。自分で作れば10円ぐらいで出来ます。手間も換算するとそういう価格にはなりません。手間を入れていないから安く出来るのです。これについて大明化学の部長は悩んだと聞きました。「もし800円だったら」「500円だったら」と考えたのです。今は売れたから「あの時714円以上の価格でも今くらい売れたのではと思うと夜も眠れない。収益に関わるから」と思うらしいのです。化粧品は原価計算のしにくい商品です。将来のこととか お客様の苦情受付の為の常駐している電話番とかの計算に入れたりすると価格は変わってくるのです。商品だけでなく販促品とか宣伝費とかも価格に転嫁するともっと判りにくい。初めはみんな材料費と人件費 梱包代 送料と収益ぐらいしか考えないのです。美肌水はこうですが一般の化粧品メーカーは別の考え方をしています。訪問販売の化粧品は高価です。原価はそれほど変わらない筈です。販売員への報酬も段階があります。バックマージンとかがあるのです。一般の化粧品店の販売している化粧品もバックマージンはあります。売れるほど儲かるようにできています。価格決定は原価からはじき出したものではなさそうです。今井医師は「化粧品には価格効果がある」と言います。高価な化粧品は使う人にとって「綺麗になる」と思わせる効果があるのです。1000円の化粧水より5000円7000円の化粧水のほうが「綺麗になるに違いない」と誰もが思うのです。それを価格効果と呼んでいます。そのような効果があるのは誰もが認めるところです。以前 メーカーの大明化学が美肌水の量を少なくしてしゃれた容器に入れた化粧水を企画したことがあります。試作品が送られてきたことがあるのです。2000円ぐらいで販売したいらしいのです。その時「同じものを高く売るのはお客さんに失礼」と返答したことがあります。何か他の成分を入れて高くするのなら賛成したでしょう。化粧品の卸を長年してきた当方としては2000円から3000円の化粧品が販売しやすい化粧品でした。それでもみんな「安い」と言ってくれていたのです。714円は化粧品とは考えられない価格なのです。きっと雑貨品を買う感覚でしょう。化粧品はイメージなのです。イメージで比べられると安価な化粧品は分が悪いです。高価イコールハイイメージです。つけた時もイメージが付きまといます。しかも自分の大切なお金を使って買った化粧品ならなおさらです。自分で買う事は化粧品の持っているイメージも買ったことにもなるのです。自然食品店で扱っている化粧品も高価なものが多いです。美肌水は安すぎるのです。これが大きな誤解を生じています。安いから効果はないと誰もが思ってしまうのです。添加物とか他に何も入れないで化粧水を作ると最終的には水だけでもいい筈。水だけの化粧水は安価で超安全の筈です。